令和8年8月16日(日)午後9時から放送されるNHKスペシャルで、硫黄島で戦死した大叔父・西大條泰のことが取り上げられます。
【NHKスペシャル 白い旗 水木しげると硫黄島】
https://www.web.nhk/tv/an/special/pl/series-tep-2NY2QQLPM3/ep/8RP39ZLGZY
終戦の日から一夜明けた今日。
この番組を前に、私自身、改めて大叔父のこと、硫黄島のこと、そして戦争と平和について考えています。
同時に、不思議な「ご縁」というものについても、思いを巡らせています。
今回、そのご縁をつないでくださった一人が、漫画家の水木しげるさんです。
水木しげるさんと聞くと、私の記憶は一気に子どもの頃へ戻ります。
『ゲゲゲの鬼太郎』。子どもの頃、本当に大好きでした。
大阪から阪急宝塚線に乗って、宝塚ファミリーランドへよく遊びに行ったものです。
夏、ちょうど今頃の季節になるとプールへ行き、そこで『ゲゲゲの鬼太郎』のイベントが開かれ、お化け屋敷のような催しにも何度も足を運びました。
怖い。でも、見たい。
怖い。でも、知りたい。
そんな気持ちで、子どもながらに夢中になっていたことを、今でもよく覚えています。
水木しげるさんの作品から「妖怪」という不思議な世界を知りました。
そして、目には見えないものへの畏れや、人間が持つ「恐れ」という感情についても、子ども心に何かを感じ取っていたのだと思います。
それから何十年もの月日が流れました。
まさか、その水木しげるさんのご兄弟とのご縁が、硫黄島で戦死した大叔父・西大條泰へとつながり、今こうして再び自分の人生の中に現れてくるとは、当時の私は知る由もありませんでした。
人生とは、本当に不思議なものです。
そして、すでにお気づきの方もおられるかもしれません。
私、中山泰秀の「泰秀」の「泰」。
この一文字は、大叔父・西大條泰の「泰」をいただいたものです。
大叔父は東京大学から海軍へ進み、硫黄島で戦死しました。父の記憶に残っていた大叔父は、背筋をしゃんと伸ばした、とても立派な人でした。
「この人のような立派な人間になってほしい」
父はそんな願いを込め、大叔父の名前から「泰」の一文字を取り、私に「泰秀」と名付けてくれました。
それが、私の名前です。
私は大叔父に会ったことはありません。
けれども考えてみれば、生まれたその日から今日まで、ずっと大叔父の一文字と一緒に生きてきたことになります。
そう思うと、「名前」というものの重みを改めて感じます。
大叔父・西大條泰は硫黄島で戦死し、靖國神社に祀られています。
私が何故、硫黄島を訪ねるのか。
その理由の一つが、ここにあります。
もちろん、そこにあるのは大叔父への思いだけではありません。
硫黄島で亡くなられた一人ひとりに、名前がありました。
家族がありました。故郷がありました。愛する人がいました。
そして、帰りたかった場所があったはずです。
「戦没者」という一つの言葉で語られてしまえば、その一人ひとりの顔や人生は見えなくなってしまいます。
しかし、そこには間違いなく、それぞれの人生がありました。
戦後81年。
戦争を直接経験された方々から、その時代の記憶を直接伺うことのできる機会は、年々少なくなっています。
だからこそ今、私たちには、記憶を受け継ぐ責任があるのではないでしょうか。
忘れないこと。知ろうとすること。
そして、次の世代へ伝えていくこと。
私は、それもまた、今を生きる私たちにできる大切なことだと思っています。
そして、私は政治家です。
ここから先は、追悼だけで終わらせるわけにはいきません。
81年前、多くの人々が経験した苦しみ、悲しみ、そして家族を失った痛み。
その歴史から何を学び、二度と戦争を起こさせないために何をするのか。
それを考え、現実の政策と行動につなげる責任があります。
戦争のリスクを、どうすれば回避できるのか。
私は、それこそが外交、防衛、安全保障、そして国際政治に携わる政治家が、真剣に向き合い続けなければならない仕事だと思っています。
平和を願う。
それはもちろん大切です。
しかし、願うだけで平和が守られるほど、残念ながら国際社会の現実は単純ではありません。
必要な防衛力を備える。
そして何より、相手に戦争を起こさせないための確かな抑止力を持つ。
そのための外交力であり、防衛力であり、安全保障です。
同時に、国と国、人と人との信頼を築くことも欠かせません。
国際政治の中で、知恵を尽くし、対話を重ね、各国との信頼と友好を積み上げ、互いに意思を通じ合わせる。
対話すべき時には徹底して対話する。
主張すべきことは、しっかりと主張する。
そして、外交力、防衛力、抑止力を総合的に機能させ、戦争という最悪の事態に至るリスクを可能な限り遠ざける。
日本という国を守る。国民の生命と平和な暮らしを守る。
そして、日本の領土、領海、領空を守り抜く。
そのために何が必要なのかを考え、決断し、行動する。
それが政治家の仕事だと、私は考えています。
戦争をしないために、何をしなければならないのか。
戦争を起こさせないために、何を備えなければならないのか。
そして危機の兆候があれば、それをどう察知し、外交と抑止によってどう回避するのか。
そのための努力を、私は惜しみません。
81年前を生きた先人たちのことを思えば、それは政治に携わる者として当然の責任だと思うからです。
子どもの頃、阪急電車に乗って宝塚ファミリーランドへ行き、『ゲゲゲの鬼太郎』のお化け屋敷に胸を躍らせていた少年時代。
その頃に親しんだ水木しげるさんの世界。
硫黄島で戦死した大叔父・西大條泰。
父が私の名前に託してくれた「泰」の一文字。
そして、81年前の戦争。
当時はまったく別々だったはずの一つひとつが、長い歳月を経た今、不思議なご縁によって一本の線につながりました。
人の人生には、その時には意味が分からなくても、何十年も経ってから初めて気づく「ご縁」があるのかもしれません。
今回の番組を通じて、私自身、そのことに改めて気づかせていただきました。
この機会を与えていただいたことに、心から感謝申し上げます。
昨日、8月15日は終戦の日でした。
そして今日、8月16日。
81年前に生きた人々の人生に思いを寄せながら、今を生きる私たちは、次の81年に何を残すことができるのか。
私も改めて考えたいと思います。
そして、国政に携わる政治家として、戦争のリスクを回避し、日本を守り、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、これからも知恵を尽くし、行動を続けてまいります。
今夜午後9時からのNHKスペシャル。ぜひ、多くの皆様にご覧いただきたいと思います。
そして、ご覧になった後、皆様が何を感じ、何を考えられたのか。
よろしければ、ぜひ感想をお聞かせください。
一つの番組をきっかけに、世代を越えて、戦争と平和、家族、そして私たちが未来へ受け継いでいくものについて考える時間になれば、これほど嬉しいことはありません。
▼ 2026.8.16 中山泰秀のやすトラダムス 硫黄島で戦死した大叔父の西大條泰を想い、終戦の日を振り返る