〜リンジー・グラハム上院議員を偲んで〜
リンジー・グラハム上院議員の突然の訃報に接し、深い悲しみと大きな喪失感を覚えています。
2015年4月27日、米国ロサンゼルスのビバリーヒルトンホテルで開催されたミルケン・インスティテュート・グローバル・カンファレンス「Global Risk」セッションにおいて、リンジー・グラハム上院議員をはじめ、トニー・ブレア元英国首相、ウェズリー・クラーク元NATO欧州連合軍最高司令官とともに、パネルディスカッションに登壇するという、大変光栄な機会に恵まれました。
2015年4月27日、ロサンゼルス・ビバリーヒルトンホテルで開催されたミルケン・インスティテュート・グローバル・カンファレンス「Global Risk」セッション。当日の記録映像をご紹介します。
📺▶︎ https://youtu.be/U4q3rFmiymg?si=VbOU9df3CDJAzWlt
当時、私は外務副大臣として、同年1月から2月にかけて、湯川遥菜さん、後藤健二さんの救出に向け、日本政府のヨルダン現地対策本部長として対応に当たった経験を踏まえ、国際テロや中東情勢、日本の安全保障政策についてお話ししました。
会場となったのは、世界の映画文化の中心地・ハリウッドに位置するビバリーヒルトンホテルでした。自己紹介では、その土地にちなみ、「私の英語はハリウッド映画『ビバリーヒルズ・コップ』を見て覚えました」と申し上げ、会場の笑いを誘いました。
続く議論では、ヨルダンで実際に経験した緊迫した現場の状況をお伝えしました。英語だけでは表現しきれない場面では、思わず効果音も交えながら説明したところ、その様子をご覧になっていたグラハム上院議員が、絶妙な間合いで、
「あなたの英語はトニー・ブレアより分かりやすい。サウンドエフェクトまで付いているからね。」
とユーモアたっぷりに応じられました。
その瞬間、会場は大きな笑いに包まれました。
しかし、それは単なる機転の利いたジョークではありませんでした。共演者を自然に立て、場の空気を和ませ、聴衆を議論へ引き込みながら、一体感を生み出していく。その卓越した話術と人間的な温かさに、世界を代表する政治家としての器の大きさを感じたことを、今でも鮮明に覚えています。
時に鋭い政治的皮肉を交えながらも、その根底には、人々に政治をもっと身近に感じてもらいたい、政治に関心を持ってもらいたいという強い信念がありました。難しい外交・安全保障の議論を、ユーモアを交えながら分かりやすく伝え、会場全体を一つにしていく姿は、まさにリンジー・グラハム上院議員ならではの魅力でした。
また、ご自身が脚光を浴びるだけではなく、共に登壇する相手の持ち味を引き出し、それぞれが最も輝けるように議論を進めていく姿にも、深い感銘を受けました。
近年は、ドナルド・トランプ大統領の最も信頼される側近の一人として外交・安全保障政策を支え、世界各地をともに訪問される姿を日本の報道で拝見するたび、そのご活躍を大変うれしく思っておりました。
私自身も、衆議院議員として国政に復帰した暁には、ぜひ年内にもワシントンの上院議員事務所を訪ね、再びお目にかかりたいと願っていただけに、この突然の訃報はあまりにも残念で、言葉になりません。
長年にわたり、米国の外交・安全保障政策を牽引し、日米同盟の発展、そして自由、民主主義、法の支配という普遍的価値を守るために尽力されたそのご功績に、心から敬意を表します。
遠く日本の地より、謹んで哀悼の誠を捧げるとともに、リンジー・グラハム上院議員閣下のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
どうか、安らかにお眠りください。
※掲載した写真および動画は、2015年4月27日に米国ロサンゼルスで開催されたミルケン・インスティテュート・グローバル・カンファレンス「Global Risk」セッションの記録です。リンジー・グラハム上院議員との貴重な時間を今も鮮明に思い起こさせる、大切な記録として掲載いたします。